必死のパッチでエコライフ!

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えらいこっちゃ!工事で水辺の生きものが生きていけなくなる?


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こんにちは、すずめです!

 

今週は愛鳥週間でしたね。皆さんは身の回りで、どんな鳥と出会いますか?

 

私たちのお家から1分くらいのところに、大きな川が流れています。

穏やかな流れの所々で、カワウやサギ、カモたちが羽を休め、河川敷の草むらには、時おりキジが顔を覗かせます。

夜になると、橋の欄干にアオバズクがやってくることも。

(インスタグラムに音声を掲載しました♪)

 

鳥たちとの出会いが楽しく、ついつい時間を忘れて眺めてしまいます。

 

 

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 今は初夏の山も楽しめます♪

 

 

この川は、私たちにとって癒しの空間なのですが、最近、川をちょっと下ったところで、大きな河川工事が行われている事に気が付きました。

 

 

 

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 実際の写真がこちら。

 

 

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工事現場には二つの設備を作る看板が。 

 

 

初めて見たときは周囲に菜の花が咲き乱れていたので、茶色い工事現場が余計に目立っていました。

 

 

 

 

どうして河川工事をするの?

河川工事が行われる目的は、川の氾濫を防ぐために

コンクリートなどで堤防を作ったり、町に水を引くために、川の水量を調節するダムや堰(せき)、

水門を作ることなどです。

私たちの暮らしに欠かせないからこそ、川や、川から町まで水を送る用水路など、水のある環境は、コントロールしやすいように形作られてきました。

 

このように、人間の暮らしは、工事をすることでより良くなっています。

では、そこに棲む生きものたちはどうなの?

 

工事の影響~メダカの場合~

『メダカのがっこう』でお馴染みのメダカ。

 

 

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引用元:2013 HOKOKU KOGYO

  

 

子どもから大人まで、誰もが知っている、親しみ深いお魚ですよね。

そんな彼らは今、絶滅危惧種に指定されています。

 

メダカは日本の稲作と深く関わり合って生きてきました。

かつての稲作は、用水路と田んぼが水で繋がっていて、メダカは産卵や越冬のために、用水路と田んぼを行き来しながら暮らしていました。

 

しかし、圃場整備(ほじょうせいび:用水路の整備等を実施することで労働生産性の向上を図ること)

によって、用水路と田んぼが分離され、水の行き来が人間の手で行われるようになったんです。

そのため、メダカは自由な移動ができなくなりました。

 

更に、同じく圃場整備で、用水路はコンクリート造りになっていきました。

メダカの卵には付着糸という糸がついていて、水草に絡めることで卵が流されないようにしています。

ですが、コンクリートが張られたことで卵を産み付けられなくなってしまったんです。                               

 

外来種や農薬の影響も言われていますが、何より生活環境を失ったことが、メダカを絶滅危惧種にしてしまう原因となったんです。

私たち人間の暮らしをより良くするために、メダカの暮らしは失われていったんですね。。

 

共存していくために

メダカの他にも、たくさんの水辺の生きものたちが、工事によって行き場を失っています。

 

私たちの町まで効率よく水を送るために作られた、堰。

 

 

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引用元:2013 HOKOKU KOGYO

 

 

これが、魚たちの自由な移動を困難にしてしまっているんです。

 

有名な話として、サケをあげますね。

川でふ化するサケは、成長のために一度海へ降り、立派な大人になったら、産卵のために生まれた川へと戻ってきます。

しかし、堰に行く手を阻まれることで、サケはなかなか上まで行けず、産卵をできないまま死んでいくこともあるのです。

命をかけた旅が、一つの堰によって、目的を遂げられずに終わってしまうなんて、悲しすぎませんか?

 

 

 

災害の対策や、町に水を供給するために行われる河川工事。

作物を効率よく作るための圃場整備。

 

私たちの暮らしをより良くするためのものですが、たくさんの犠牲の上に成り立っているんですね。

 

 

近年、川や用水路を生きものたちが棲みよい環境にしていくため、生きもののことを考えた再整備が、各地で実施されています。

 

  

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段差を階段状にすることで、魚が登りやすいようにする魚道

引用元: IHI Infrastructure Systems Co.,Ltd.

 

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田んぼの水を抜いた時などに、

魚たちの居場所となるよう作られた水路

引用元: 2018 越前市

 

コンクリート製な点など色々気になりますが…

生きものたちへの配慮の必要性が見直されてきているということでしょうか。

 

私たちはもう、自然界から十分に便利な暮らしをもらいました。

だから、これからは、今の暮らしを生きものたちに寄り添える方向にシフトしていくこと。

そして何より、『足るを知る』ことが大切なんじゃないかなぁ。

 

工事をするのは人ですから、変えるのも止めるのも、人の力でしか出来ません。

生きものたちと共存できる環境を、みんなでめざしていきたいですね。

 

 

 

工事なんて自分の力じゃどうにもできへんわ!

 

と、思うかもしれませんが、そんなことありません。

最後に、勇気の出る実話を、ひとつ。

 

市民が守った水辺の自然~吉野川第十堰の場合~

徳島県に流れる一級河川吉野川

2000年、吉野川の堰をめぐって、住民投票が行われました。

発端は、吉野川に巨大な可動堰をつくる計画が持ち上がったことです。

可動堰とは、川に大きなゲートを作り、開け閉めすることで水量をコントロールするもの。

 

 

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新潟県にある大河津可動堰

引用元:IHI Infrastructure Systems Co.,Ltd.

 

 

この計画に対し、反対の声があがりました。

行動を起こしたのは、主婦など吉野川を愛する住民の方々。

様々な運動の末、可動堰の是非を問う住民投票が行われることになったのです。

これは、国の公共事業に対して、初の試みです。

 

結果、反対率90%で圧勝。

その後もひと悶着あったようですが、最終的に計画を撤回することに決まりました。

 

 

 

郷土の自然に関心を持ち、勇気を出して行動することが、自然を守ることに繋がるんですね。

 

そのためには、まずは知ること。身の回りの物事に、興味を持ってみること。

自然保護は、知って、感じることから始まります。

鳥たちの、魚たちの、たくさんの生きものたちの川を、みんなで守っていきませんか?