こんにちは、タスマニアにてワーホリ中のすずめです!
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開発事業には環境アセスメント(環境影響評価)が付きもの。
工事が自然や生きものにどんな影響を及ぼすか、しっかり見極めよう!というものなのですが…
いったい、誰がするの?私たちとの関わりは?
本日は、そんな環境アセスメントについて。
実際に調査員をしている3名の方から聞いたお話も、ちょこっとご紹介します!
What‘s 環境アセスメント?
環境アセスメント (以下、環境アセス)は、開発事業が環境に与える影響について調査・予測・評価を行い、環境保全に配慮した事業計画を作り上げることを目的としています。
作成した図書は公表され、一般、地方公共団体などからの意見を集め、事業計画に反映します。
【環境アセスの手続きの流れ】
市民が意見を出来る機会は3回(事業規模によっては2回)あります。
事業開始は評価書の公告後になります。
環境アセスを行うのは各事業の事業者ですが、実際には事業者から依頼を受けた環境調査会社が行うことが多いです。
対象となるのは、道路・ダム・鉄道・空港・発電所など13種類の事業。 しかし、事業規模の大きさによっては、環境アセスの必要が無いと判断されることも!
環境アセスの実態は?
私は大学時代、環境アセスメント調査員を目指して、学部も研究室も選択しました。
環境アセスで自然が守れる!と思っていたからです。
そんな学生生活最後の年、教授から言われた「環境アセスは開発ありきやからね」という言葉。
「DOYUKOTO?」と疑問の私。
そこから二転三転あって自然保護団体に着地したワケですが、後に教授の言葉の意味を知ることとなりました…
ここからは、私が知る環境アセスメント調査員3名から、実際に聞いたお話を紹介します。
(生物系の調査がメインの話です)
友人の場合
関西の環境調査会社で調査員をしている友人に聞いた話です。
ある調査中、先輩調査員の人たちが結果の出ているものに対し、何度も測定を繰り返していました。
彼女が疑問に思って尋ねると、「事業者にとって良いデータが取れるまで測定する」と言われたそう。
「えーーーー!!なんそれ!?!?」と心底たまげたそうです。
環境への影響を減らすための調査のはずが、開発を自信もって進めるための道具になっているとは…
森林ガイドの場合
以前、森林調査の際にお世話になった、調査員の方から聞いたお話。
彼は森林ガイドをしつつ、調査員としても働いています。
曰く、彼が関わった事業に関しては、調査でどんなデータが出ても、開発がGOになっているそうで。。
愛する自然を守れないことに苦しみながら、自身が抜けることでより酷くならないよう調査員を続けている、とおっしゃっていました。
父の場合
3つ目は、現在、北信越を中心に調査員として活動している、私の父の話です。
調査報告書は正しく作られているのか気になり、聞いてみたところ…
データの改ざんまでは無いけど、事業者に喜ばれるような報告書の書かれ方は、やはり多いとのこと…😢
また、調査ではレッドリスト※にある生きものの保護がメインとなっており、希少種以外は守られにくい、ということも嘆いていました。
※国際自然保護連合(IUCN)が作成する、絶滅の恐れのある野生生物種のリスト
希少種がいれば工事が避けられるワケではなく、希少種を開発予定地から代替地に移植するという対策が取られたりもます!
なんか、種さえ残ればイイって感じやな…。希少種がいる場所を避ける場合もあるけど、低危険種たちの生息地を切り開くことは、環境破壊にならんのかいな
種にこだわり過ぎて、個々の生きものたちの繋がりが忘れ去られてしまいそう💦
🌳🌳🌳
もちろん色んな調査会社があると思いますし、全てが悪いとはいえません。
しかし、自分の身近から、これだけネガティブな話が出てきてしまうと…
教授がおっしゃっていたことにも、合点がいってしまいます😢
開発から自然を守るには?
現在、日本で大きな問題となっているのが、再エネ開発。
脱炭素を目指した取り組みですが、その建設場所が大問題になっています!
大型発電機の建設場所としてターゲットとなっているのは、森林や海といった自然環境。
開発を何とか止めようと、全国各地でたくさんの市民が声を上げています。
何度行っても美しい東北✨
そんな東北の自然は再エネ開発で続々と破壊されています…
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【日本】日立造船、会津大沼風力発電事業を中止。貴重な生態系破壊と地元反発 | Sustainable Japan
昨年、配慮書が提出されたのですが、市民や自然保護団体から反対の声が相次ぎました!
計画エリアには緑の回廊や鳥獣保護区が含まれ、絶滅危惧種・イヌワシの棲息地でもあります。
豊かな自然が守られたことはもちろん、市民の声で変えられるという証明でもあり、嬉しい事例ですね!😌
再エネ開発に対する反対の声は、生態系の破壊のほか、土砂災害や土壌・水質汚染、健康被害、景観の悪化など、様々です!
前述した調査員たちの話のように、環境アセス調査まで進んでしまうと、開発を止めるのは難しくなります。
つまり、早い段階で声を上げていくしかない!
そのためには、計画をいち早く察知すること。
郷土の自然環境にどんな危機が迫っているか?日頃からアンテナを張っておくことが大切ですね✨
各都道府県のHPに、意見募集中の開発事業の情報が掲載されていますので、時々チェックしてみるのもGood!😉
森林や海に太陽光や風力発電といった再エネ建設ラッシュ!一方、市街地には新しい商業施設の建設が…。再エネへの転換は必要だけど、市街地で出来る工夫があるんじゃないかと感じます
同時に、エネルギーの使用量を抑える工夫をすることも大切やな!
おわりに
たくさんの生きものが犠牲となる開発が、日本各地で計画されています。
開発をするのが人間なら、開発を止められるのも人間!
自然環境や生きものたちは、声を上げることが出来ません。
どれほどの生きものや美しい自然が失われるのか?
一度失ってしまったら、取り戻すのがどれほど大変か?
声を上げることは勇気がいりますが、私たちの力で守れるものがある!
みんなで手を取り合って、本当に豊かな未来を目指しましょう♪