こんにちは、すずめです!
コチラに来てから、自然や動物との距離感がグッと近づいたように思います。
動物Loverとしては、嬉しすぎて小躍りの日々!✨
🌱【タスマニアの動物記事】はこちら↓↓
さて本日は、タイトルにもある「動物の気持ち」についてです。
日本で動物を身近に感じられる場所として、動物園があります。
関西の某動物園を参考にしています
動物園の人気者・ライオンさん。
力強くもしなやかに歩く姿は、お客さんにとって魅力的ですよね。
ライオンが獣舎内をウロウロ行ったり来たりする様子は、よく見られます。
ではこの行動、彼らにとって どんな意味があるのでしょう…?
動物園の獣舎内を歩きまわるライオン!その心は…?
同じ場所を繰り返し行き来する、同じ仕草を繰り返すことを「常同行動」といいます。
悲しきかな、この行動はストレスから来ると言われています…!
群れで暮らす動物の単独飼いや、狭い環境での飼育、欲求を満たすものが無いなど、原因は様々。
水族館も含め、多様な動物種で見られます。
↓↓コチラのHPに様々な常同行動の様子が掲載されています🐘
常同行動が、「動物が楽しそう」「面白い特徴のあるコ」と親しまれていることも。。
実際には、こんな感じでしょうか
動物園の取り組み
ストレスを軽減させるために「環境エンリッチメント」という取り組みがあります。
最近はニュースなどでも取り上げられるようになりましたね!
内容としては、
採食エンリッチメント:餌を隠す、分散する等で、時間をかけて食べられるようにする
空間エンリッチメント:飼育環境を棲息地に近づけたり、隠れ家や遊具を置く
等があり、動物の本能や多様な行動を引き出し、異常行動を減らすことが目的。
しかしながら、予算や人手、獣医の不在などにより、取り組むに至れない園が多いのも事実。
ライオンの棲息地といえば、アフリカのサバンナ。
本来なら、こんなにも広々とした大地で生活しているのかと思うと、ストレス溜まるよなぁ…と想像に難くないですね。。
人の手で雄大なサバンナを作ることは出来ません。
ストレスが軽減されるのは望ましいことですが、どこまでのことをしてあげられるのか…
野生のライオンは、飼育されてるライオンと雰囲気も体型も違って見えたわ
「天敵がいなかったり、十分な食糧がある分、野生よりも幸せなのでは?」
という意見はよく聞きますが、動物の幸せって何なのか、私たちにもわからんところです。💦
ただ思うのは、本能(天敵から逃げる、食糧を捕る、子孫をつくるなど)を持つ野生動物たちにとって、その本能が抑圧されることは、果たして幸せなのか。。
動物園の役割
現在、日本には動物園・水族館併せて300近くもあるそうです!(クマ牧場や小規模施設など含む) 注1
そして…なんと!動物園の数は世界3位、水族館の数は世界1位だとか!!
狭い日本の国土の中にこれほどの園があるとは!!!!😲
そんな動物園・水族館の役割は、
「種の保存」
「教育・環境教育」
「調査・研究」
「レクリエーション」
の4つです。
中でも近年重視されているのが、「種の保存」。
希少動物を園で繁殖し、野生個体が少なくなった時、元の棲息地に放して個体数の回復を図ろう、というものです。
国内外の希少種を飼育・繁殖し、種の保存としての役割を掲げている園は多数あります。
動物園と「種の保存」
そもそも、野生動物たちが絶滅に追いやられる原因の多くは、人間活動。
環境破壊などにより、今もたくさんの野生動物たちが危機に瀕しています。
悲しいことに、その破壊活動の一端を、日本が担っています。
昨年の東京オリンピックでは、競技場の建設に熱帯林の樹木が使われていたのではないかと、国内外の自然保護団体から指摘がありました。
かつては、ここタスマニアで違法伐採された樹木を、日本の企業が相当数輸入していたことも。
日本国内においても、森林や河川が次々と開発され、野生動物たちは棲みかを追われています。
他にも、例を挙げればキリがありません。。
日本で種の保存が進められる一方で、日本が種の絶滅に拍車をかけている。
この矛盾を解決せずして、種の保存は実現するのでしょうか?
いくら園で繁殖が成功しても、棲息地が十分になければ、その種が野生で暮らしていくことは出来ません。
種の保存のためには、棲息地の確保が不可欠。
そこまでの責任を、園が果たすことはできるの?
国家事業や企業などによる環境破壊を、国を挙げて規制していくことこそ、まず必要なのではないでしょうか。
願わくは、「野の者は野で」守られる方向に向かってほしいです。
動物園とサンクチュアリ
ここタスマニアには、野生動物のサンクチュアリ(保護施設)が何か所もあります。
ケガや病気の動物たちを保護・治療し、野生に返したり終生飼養しています。
見学可能で、スタッフの方々から動物たちの生態や問題について聞くことも。
施設を訪れてみて、サンクチュアリが動物園の代わりとなればいいな、と感じました。
動物園で人気だったり飼育されているのは、外国の動物が多いように思います。
サンクチュアリでは地元の動物が保護されているので、来園者の方々は、郷土の野生動物や彼らの抱える問題に関心を持つことが出来ます。
そこから、暮らしを見直したり、ボランティアに参加しよう!という行動に繋がっています。
海外の動物たちの問題も、もちろん大変深刻。
でも、日本の人々には、自国の問題にもっと目を向けてほしい。
そのために、サンクチュアリはとても良い環境なのではないかなと思います。
元々棲んでる動物の方が、寒暖などの環境にも慣れてるし!
もちろん、海外の環境破壊を食い止めるための取り組みはすべきだと思います!
動物園のこれから
色々とお話ししてきた動物園ですが、実は今、転換期に立っていると言われています。
「動物福祉」の観点から、動物愛護団体の活動によって見直された園や、自ら見直す園など、在り方が変わり始めています。
そして、変わるために選択されるのが、「改善」もしくは「廃園」という道。
どちらも、とても大切な選択だと思います。
(廃園に関しては、最後まで動物たちが大切に飼育されることが前提ですが、勇気ある決断だと思います!)
しかし、300近くもの施設がある現状、運営側や団体の力だけでは、全てを変えることは出来ません。
また、アートが前面に押し出された水族館など、動物への配慮が足りない園の新設が問題となっています😢
引用元:Japan’s Wild Aquarium Art
驚くことに、日本には、動物園・水族館の飼育方法を規制する法律がありません。
つまり、園が動物たちのために何もしなくても、問題はないのです!
動物園について考える時、私はよく父の言葉を思い出します。
私の父は定年を迎えるまで、割と大きめの動物園の職員をしていました。
環境教育指導員をしていた私としては、大変興味深く、父とたくさん話し合いました。
そんな中、特に印象に残っている言葉があります。
「職員の中にも、動物園の在り方に疑問を持つ人がいる。
でも、彼らの意見が園に汲まれることは難しい。
動物園を変えるために必要なのは、外部、つまり市民の声。
たくさんの声が寄せられることで、動物園の在り方が変わることは十分にある」
動物園の在り方が問われる今だからこそ、私たちに出来ることがあるのではないでしょうか?
私たち一人ひとりが動物たちの置かれている状況を知ること。
知った上で、どんな未来が望ましいのか考え行動すること。
命ある施設だからこそ、みんなで真剣に考え、みんなで変えていけたらいいな。
おわりに
動物園は様々な世代が楽しめる、人気のスポットです。
でも、その「楽しい」の向こう側に、過酷な現実がある。
話せない動物たちの気持ちを知ることは、不可能です。
でも、生態や棲息地、置かれた状況を知ることで、彼らの気持ちをイメージすることは出来るのではないでしょうか。
彼らの声なき声を、ぜひ想像してみてください。
あなたは、どう考えますか?
参考:
注1)Animal Liberation.net.「日本の動物園水族館の数」.(参照 2023-3-18)
https://animal-liberator.net/animal-liberator/number-zoo-aquarium-japan/