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再エネ自給率100%のタスマニア!風車が鳥を避ける? 風車に埋まる島?【風力発電編】


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こんにちは、すずめです!

タスマニア島に住んで3か月。

こちらに来てから、たま~~に停電があります。

時々あることのようなので、気にはしていないのですが、

 

「そういや、タスマニアの電力ってどこから来てるん?」

 

と思いまして。

 

 

環境保護とエネルギーは切っても切り離せない問題。

この度、タスマニアのエネルギー事情について調べてみることに!

 

 

 

🌱【以前の環境問題記事】はこちら↓↓

 

yasai414.hateblo.jp

 

 

 

 

 

タスマニアの電力はどこから?

オーストラリアの州のひとつであるタスマニアは、北海道の8割くらいの大きさです。

人口を見ると、北海道の約1割とかなり少なめ。

 

島の40%を国立公園や自然保護区が占め、中でもタスマニア原生地域はオーストラリア最大の自然保護区のひとつです。

(自然保護区については別の記事で書かせていただきますね!)

 

 

 

クレイドルマウンテン国立公園にて撮影。美しい~

 

 

 

そんな自然豊かなタスマニアのエネルギー事情ですが、なんと!

 

100%再生可能エネルギー(以下、再エネ)によって賄われている

 

とのこと!

 

 

割合としては水力発電が最も多く、次いで風力発電

もしものために火力発電も稼働しているのですが、実質、再エネの発電量だけで州全体の電力を供給できるようになっています。

 

 

オーストラリア本土は火力発電がメインとのことで、タスマニアは唯一、再エネ自給率100%に成功した州のようです!

更に、タスマニア州は2040年までに、現在の倍の発電量を生産することを目指しています。

 

 

実際に行ってみました

何年前だったか、日本野鳥の会さんの会報誌でバードストライク(野鳥が風車の羽根に巻き込まれる事故)を知って以来、風力発電にネガティブなイメージを持っていた私。

 

タスマニア風力発電は、どんな感じなんやろ?

…というワケで、見に行ってきました!

 

 

 

今回訪れたのは、タスマニアの中央高地地域に位置するCattle Hill Wind Farm(以下、CHWF)

2020年に建設された風力発電所です。

 

山越え谷越え、車を延々走らせると、丘の上にズラリと風車が…!

 

 

 

全部で48基あるそうです

 

 

 

近づくにつれて、辺りは放牧地に。

牛たちの奥に広がる風車群は、なかなか異様な雰囲気。。。

 

 

 

 

牛たちはどんな気持ちなのかしら

 

 

 

なんとこの日はお休みだったようで(泣)、ゲートの前から暫し観察しました。

 

 

 

 

 

 

鳥を避ける風車⁉

CHWF到着前、上空を旋回する2羽のオナガイヌワシWedge-tailed eagle)を見かけた私たち。

 

 

 

スマホで撮影すると、点にしか見えませんね笑

 

 

 

バードストライクが問題になってるんじゃ⁉と、調べていくと…

何やら気になるシステムが導入されている様子。

 

その名も、IdentiFlight(IDF)

 

こりゃ一体何かというと、「野鳥が風車に近づくと、運転が一時的に止まる」というものです(かなりざっくりですが)

 

 

CHWFのある地域は、オナガイヌワシシロハラウミワシ(White-Bellied Sea Eagle)の棲息地。

彼らの衝突事故を防ぐことが目的のようです。

 

 

 

シロハラウミワシは近所の放牧地付近でたま~に見かけます

 

 

 

ホントに~?と思いネットサーフィンしていると、アセスメントの記録が見つかりました。
読んでみた感じ、対象のワシ2種については良い結果が得られているみたい。

他の鳥類やコウモリはどうなん?と思うのですが、その辺りはまだの様です。

 

 

更に読み進めていくと、気になる記録が。

 

低い位置を飛行していたワシの存在を認識出来なかった風車があり、衝突事故が起きてしまった。
原因を探ったところ、樹木が密生している事で見通しが悪かったため。
土地の所有者に樹木除去の許可を求めるも、伐採が禁止されている区域のため、許可が下りず。
その後も事故が起きたため、再び所有者と話し合い、結果的に伐採出来ることになった。

 

ということがあったようで。

 

 

ん?システムの効率化のために、樹木を伐採する…?

 

 

樹木も鳥類の棲息地の一部。

鳥だけじゃなく、哺乳類や爬虫類、昆虫、色々な動物にとって大切な棲み処のはず。

 

もちろん、バードストライクを軽減するのは必要な事です。

でも、そのために森林を切り開くのは、どうなん?

 

 

 

森で出会ったサンショクヒタキ(Scarlet Robin)。丸くて可愛い~

 

アカビタイキクサインコ(Green Rosella)。シュッとしてて美しい~

 

 

 

そもそも風力発電は、都市部から離れた山林や海岸など野生生物の生息エリアに建てられることが多いです。

再エネのために自然が失われるのは、何か凄く違和感。

 

CHWFを訪れて、ここは元々どんな環境だったんだろう、と過去に思いを馳せました。

 

 

 

風車に埋まる島⁉

やはり不安の消えない風力発電ですが、追い打ちをかけるようなニュースが!

何と、タスマニア北西部のロビンズ島で、122基もの風力発電の建設計画が進んでいるらしい…!?

 

絶滅危惧種アカハラワカバインコ(Orange-bellied Parrot)が渡りをする5か月間は休止することを条件に承認されたとのこと。。

 

 

↓↓ニュース記事です

reneweconomy.com.au

 

 

島の面積・約9900haのうち、約8254haが計画予定地となっています(GHD作成資料より)

 

 

 

引用元: 2022 Energy Source & Distribution

 

 

 

この島は、インコ以外にも、タスマニアデビル等たくさんの野生生物たちの棲息地。

彼らからすれば、「人間の問題だから人間の棲息地でやってよ!」という話ですよね…

 

環境保護を訴える団体から、反対の声が多数上がっています。

 

 

200%の再エネ発電量をめざすタスマニア、まだまだ計画が隠されていそうです。。

 

 

 

おわりに

日本でも山林に次々と風車が立ち、新しい建設計画は続々。

各地でたくさんの人が立ち上がり、必死に抵抗しています。

 

本来、環境負荷の軽減を目的としているはずの再エネ事業。

「再エネ発電さえできればいい!」って雰囲気になってません?

 

 

この度、風力発電を調べてみて、タスマニアの自然が危機的状況に置かれていることを知りました。

「自然天国!生きものバンザイ!」と浮かれている場合じゃなかった…!

タスマニアにいる今だからこそ、できることはないか?

私たちも考えていきたいと思います!

 

 

後日、タスマニア水力発電レポートについても書かせていただきますね📝

 
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