こんにちは、すずめです!
現在、ヤマセミさんと2人でタスマニアのオーガニックファームで働いております。
毎日 農作業に汗水流す中、日本を出る直前まで勤めていた、農園での日々を思い出します。
今回は、日本で2年就農してみて、大変だったことや苦悩について綴りたいと思います。
(正直に書きますので、「甘いわ!」と思われるかもですが、何卒ご了承ください;)
🌱【以前の田舎暮らし記事】はこちら↓↓
①草刈りの苦しみ
「農業は草との闘い」とは聞きますが、まさに良い得て妙。
作物たちが育ち始める頃、姿を現すのが多種多様な草たち!
土着の民だからか、成長の早いこと…!
作物を越す勢いで、それはもうモサモサ元気に育ちます。
来る日も来る日も草刈りしますが、彼らの底力は文明の利器をも凌駕!
刈っては生え、刈っては生え、まさにイタチごっこの日々でした。
スタッフ間で調子の良い刈払い機の取り合いでした笑
体力的にも大変だったのですが、何より一番私たちを苦しめたのは、「草が野生動物にとっての棲息地である」という事実。
草刈り中、カエルやバッタが飛び出して来たり、ネズミや巣立ち雛が隠れていることも。
傷つけてしまわないかと、緊張感MAXで作業していました…💦
「彼らの棲息地を奪っていいんやろか」と葛藤したりと、悶々とする日々。
何とかかんとか気持ちの折り合いをつけながら、仕事をこなしていました苦笑
畑のアイドル・アマガエルちゃん🐸
ただ、毎日滝汗で お水が人生イチ美味しかったです…!
草刈り中、後ろをトビが付いてくるのも可愛かった…
②野生動物との軋轢
一昨年の8月頃だったか、山裾の田んぼに、イノシシがやってきました。
地面には足跡が所々残され、稲も少し倒れています。
近くに潜み場となりそうな耕作放棄地があり、そちらにも多数の足跡が…
私たちの職場は、基本的に柵などの獣害対策を行っていません。
柵、立てるんかな?と思っていた矢先、職場に届いたのは、大形の箱罠!
「えー!!何で何で!?」と驚きの私たち!😲
何でも、集落の方々との間で、イノシシを捕まえることに決まったそう。
猟期外のため、鳥獣保護管理法に則って有害捕獲という形になります。
集落への侵入経路はわかっているようで、付近に米ぬかを仕掛けた箱罠を設置する段取りに。
米ぬかで罠まで誘引するかたちでした
「圃場を柵で囲う方が先でない!?ほんで侵入経路は塞ぐべきでない!?」
と嘆く私たち。
社長に直談判しました。
「柵立てるの頑張るから!!潜み場の草刈りも超頑張るから!」
と熱意をぶつけるも、集落で決まったことだからでしょうか、思い届かず…
イノシシが罠にかかることはありませんでしたが、緊張の日々でした。。
野生動物との軋轢については、田舎に来る前から色々考えたりしていたのですが…
実際に田舎で暮らしてみて、そこに暮らす方々と毎日過ごして、彼らにとって本当に悩み深い問題なのだと実感しました。
でも、だからこそ、私たちも直面した此度の「イノシシ問題」について、何か力になりたかったです。。
他にも、アライグマやヌートリアといった外来種、カワウなど、様々な動物が集落の悩みのタネになっていました。
私たちが担当する畑にも、色々な足跡スタンプがポンポン🐾
③太陽光パネルVS田舎
こちらは、実際に関わった出来事ではありませんが…
私たちが来る数年前、集落に太陽光パネルを設置する話が持ち上がったそう。
田舎には、持ち主がわからなかったり管理できなくなった土地がたくさんあります。
田畑を手放したい!と職場に相談しに来る方もおられ、私たちが勤務した2年間にも、職場の田畑の面積が増えました笑
そんな事情があるからか、太陽光パネル等のインフラ事業の目に留まりやすいらしい。
さて、我が集落にパネル設置の話が来たワケですが、住民総出で反対したそうです!
景観の悪化等いろんな理由があった様で、反対の甲斐あって、計画は白紙に。
私たちが働いていた頃も、時おり県外ナンバーの車が集落をぐるぐるしており、集落の方が「土地探しに来たんやわ」と言っていました。
こんな感じで、いつの間にかターゲットになるんかなぁ…とヒヤリ💦
近くの集落や山林では、次々と太陽光パネルが設置されていました。
近所のお山にて。開発で失われてほしくないです
就農して良かったこと
ここまで聞くと「ほな、楽しくなかったんか?」と思われるかもですが…
苦難以上にたくさんの喜びがありました!
みんなあったかい!
社長とは意見のぶつけ合いこそしましたが、本当によくしていただきました。
(よく飲みにも連れて行ってもらいました笑🍻)
環境問題に関心のある私たちのため、市会議員さんや国会議員さんとの話し合いの場に同席させてくださった時には、
「会社の事は気にせんと、思ってることを言ったらエエ!」
との懐の深さのおかげで、とても学びある経験となりました。
スタッフの皆さんもとても優しくて、一緒に蛍を見に行ったり、雛鳥ウォッチングしたり、大変温かい環境でした。
季節の移ろいが美しい!
毎日、様々な自然の姿に出会えました!
鳥やキツネたちの子育てから巣立ちまでを見守ったり、
移り変わる季節を全身で感じたり、
畑一枚の中でも、たくさんの生きものたちが繋がり合って、逞しく生きていて、
命の力強さ・美しさに感動の日々。
これまで、カレンダーで季節を知るような生活だったのが、一変!
雨や風、雲、気温、そしてたくさんの生きものたちが季節の移ろいを教えてくれました。
作業中によく姿を現すミサゴちゃん。カッコいい狩りを見せていただきました♥
夕暮れ時の美しさは最高!✨
台風、大雨、猛暑の日はとんでもなく しんどかったですが、これも自然のひとつ!
と思えば頑張れました笑
台風一過で稲が総倒れしたことも。予測できないのが自然ですね
おわりに
あんなこと、こんなこと、色々あった就農生活。
辛いことは多々ありましたが、それ以上に楽しく充実した日々でした。
私は就農するまで、環境教育の指導員をしてきました。
2年間農業に身を置いてみて、田畑はたくさんの事を教えてくれる、最高の環境教育の場だと確信しました!
開発の危機にある、田舎の田畑。川や海や山林。
子どもたちから、この大切な原風景を奪ってはいけない!
日本に戻った時、生きものたちのため、子どもたちのため、何か出来る人になっていたい!と心から思います。
これからも頑張るわいね!
🌱現在はオーストラリアにて有機農家に就農中です♪ ↓↓