こんにちは!
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今回は、気になるオーストラリアの野生動物ニュースについてです。
「カモノハシが数十年ぶりにシドニーのロイヤル国立公園に戻ってくる(原題:Platypuses return to Sydney's Royal National Park after disappearing for decades)」
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ざっくりというと、
1970年代にシドニーのロイヤル国立公園で絶滅したと思われるカモノハシを再び公園内に放獣した。公園内での自然繁殖を目指し、2023年5月に6頭のメスと4頭のオスを放った。背中に小さな発信機を装着し、しばらく観察を続ける。
こんな感じの内容。
あの大都会にカモノハシ?!
何でおらんくなったんやろ?
というのが最初、ニュースタイトルを読んだときの感想です。
放獣先はどんなとこ?
ロイヤル国立公園はシドニー中心街から南へ車で1時間程の距離にある、オーストラリア最古の国立公園です。
公園の大きさは約16,000ヘクタールで、多様な自然に囲まれ在来の動植物も数多く生息しているようです。
その中で放獣先に選ばれたのは、公園内を北東に流れる全長26kmのハッキング川(Hacking River)。
上流域は国立公園外にあり、炭鉱のある町となっています。
公園内に位置するハッキング川は多雨林やユーカリ林に囲まれており、カモノハシの餌となる水生大型無脊椎動物(トンボの幼虫や小さなエビ)が十分に棲息していると調査で分かっているそう。
絶滅した理由
これはどの動物にも通ずることですが、絶滅の理由は一つではありません。
この地域のカモノハシにおいては、近くを通る高速道路での化学物質の流出が大きいとされているのですが、オーストラリア全土でカモノハシが減少している原因として、
・人間活動による生息地の分断や減少
・キツネによる捕食
・川の干ばつや氾濫、森林火災といった自然災害
等が挙げられています。
良いことだけじゃない?
そもそもこの放獣プログラムは、地球温暖化によりこの先カモノハシの棲息状況にどのような影響が起こるかわからないため、カモノハシが暮らす環境を増やそう!といった目的があります。
一見、良いプログラムのように感じますが、気になる点もありまして…
川の水質は安全?
放獣場所である川の上流域には、前述したとおり炭鉱があり、昨年には大雨などの影響による、3度もの汚染物質の流出が問題となりました。
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水質調査を行ったうえでの放獣となりましたが、この先も事故が無いとは言い切れません。
放獣場所は国立公園内やけど、上流域は保護管轄外。川は繋がっているから、カモノハシにとって本当に安全と言えるんやろか。。
絶滅した理由に化学物質の流出が関わっているし…心配だね💦
カモノハシがどこから来たか?
今回放獣されたカモノハシは、保護された個体ではなく、全て野生個体です。
国内2か所の地域にある4つの川の7地点から10個体が捕獲されました(遺伝的多様性を図るため、地点を分けてます)。
捕獲されたカモノハシたちは、しばらく飼育下におかれた後、放獣されました。
生息数に影響はない範囲で捕獲したようですが、捕獲された側からしたら、急に掴まって、知らない環境に連れてこられて、凄く怖かっただろうし、ワケわからんかったやろなと思います。
ほかの生きものたちの命は?
放獣地点の辺りは、キツネが棲息しています。
キツネはもともとオーストラリアにはおらず、ヨーロッパの入植者がスポーツハンティング目的で連れてきました。
その後、生息数が増え、今は外来種として駆除対象となっています。
カモノハシ放獣にあたって、周辺地域のキツネの駆除対策がされているようです。
また、餌となる生きものたちからしたら、長い間カモノハシがいない状態で続いていた環境が、急に変わってしまう。
何があるかわからない自然界、今度は彼らが窮地に立たされることになるかもしれません。。
個体減少の理由のひとつであるキツネの問題が残る中、ここで放獣をする必要はあったんやろか…。それも、キツネを駆除してまで。
人間都合で連れてこられて、邪魔になったら殺されて、キツネたち外来種は本当に辛い立場にいるね😢
★外来種については、また改めて記事にさせていただきたいと思います!
おわりに
今回のカモノハシ放獣に関しては、市民の間でも意見が分かれており、賛成の声、カモノハシの身を案ずる声など、様々です。
カモノハシの棲む川の側に住んでいる私たちにとって、彼らはとても身近な存在。
このニュースを知ってから、彼らが他の生きものたちとのびのび暮らしているのを見るたび、様々な思いに駆られます。
職場の休憩所横にある池にも棲んでいます♪
写真中央下の黒くて細長いのがカモノハシ
彼らも、他の生きものたちも、自由に安心して暮らせる社会になってほしい。
ここにいる今だからこそ出来ることはないか?これからも考えていきたいと思います!
野生動物の保護の一方で、再エネなどの大規模開発が進むオーストラリア。動物に手を入れる前にできることあるんちゃう?と感じる今日この頃です