🌱【前回の農業関連記事】はコチラ↓↓
前回は日本での農業の一コマをご紹介しましたが、今回はタスマニアの農業について。
私たちは渡豪してから、4ヶ月間(12月頭~3月末:夏)と4月~現在にかけて、2か所のオーガニックファームで働いています。
今回は、1つ目のファームのことをメインにお話します。
ファームの情報
どんなとこにある?
めっちゃ田舎です!
以前の記事でも紹介した、人口100人の村にあります。
🌱コチラの記事で紹介しています↓↓
家はファームまでの道のりで数軒程度、歩いている人は滅多に見かけません。
(遭遇率はワラビー、パディメロンなどの野生動物の方が高いです)
どんなファーム?
完全無農薬・化学肥料不使用の持続可能な農業を実践されている、家族経営の小規模ファームです。
オーナーの他、スタッフは基本的には近所の方が1名。
私たちが入った後に、更に近所の方が2名お手伝いに来られるようになりました。
忙しい時は、ホームスクーリング中の地元の子どもたちも協力してくれます。
飼い主に放棄された牧羊犬、親のいない甘え盛りな子ヤギ等、
様々な動物たちも暮らしてました
オーナー家族やスタッフの皆さんは基本的にヴィーガンやベジタリアンで、お野菜大好き。
作業中にケールやらビーンズやらをつまみ食いしてました(笑)
また、皆さん環境や社会問題に対してしっかりと考えを持たれており、欧州の再エネのこと、オーストラリアの民族問題のことなど、いろいろと教えていただきました!
どんなことするん?
収穫は2日に分けて行われ、それ以外は種まきから苗の植え付け、整地、草引き等幅広い作業がありました。
私たちは電動の機械は全く使わず全て手作業で、毎日泥だらけ!
指も服も土まみれで、洗ってもなかなか落ちませんでした😱
種まきは、ゴマサイズの種を一つ一つ指で苗床の穴に落としていくので、凄く神経を使いました。
い゛ぃぃーー!ってなってました。
体力いる?
いります!しんどい!
2人とも30歳を超えていることもあって、筋肉痛もすごかったです。
畑は平らではなくアップダウンがあり、農機具を使った整地や草引きの時はかなりしんどかった…。
ついでに膝をついて作業することも多く、痣だらけになりました(笑)
一番大きい畑。農機具を持って移動するだけで息が上がります😂
🥕🥕🥕
上記のように、とにかく身体の全てを駆使しての作業だったので、もーー大変。
でも農業って本来はこういう作業の連続でやっと作物が出来るんやな、と実感しました。
虫食いやカビ、雨風の影響もありましたが、自然の中で出来るだけ自然な方法で行う農業の在り方を体験する機会となりました。
小規模ファームの悩み
そんな素敵なファームですが、オーナーは色々と悩ましいようで。。
まず、大手のオーガニックファームが強い!ということ。
広大な面積や従業員数、大きな農業車両を持っているファームは、当然出荷量も多く、そのぶん価格を低く設定することが出来ます。
そうなると、同じ野菜を扱ってても、契約相手として選ばれるのは安い方。
大型スーパーに並ぶ有機野菜は、大手のものが多いです。
オーナーのファームは、ホテルや野菜メインのレストランといった個人飲食店への出荷と、ファーマーズマーケットでの出店って感じやったかな
また、獣害対策が大変!
小規模なファームとはいえ、面積は広く、いくつかに分かれています。
森に囲まれているので全ての畑を柵で囲っているのですが、それでも何処からかワラビーたちが入ってきてました。
ハウスで作業中、ズッキーニの葉の下にパディメロンが隠れてました
みんなで植え付けを頑張った次の日、苗が半分以上食べられてしまった!ということも…💦
これにはオーナーもほとほと困り、新しい柵の張り替えを行いました。
スタッフが少ないので、張り替え期間はバタバタと慌ただしかったです。
オーナーが、乾燥で山の食糧が少なくて、彼らも困ってるんやろうなぁ…と言ってました
小規模と大規模で働いてみて
現在、私たちは上記の大手オーガニックファームのひとつで働いています。
小規模と大規模、両方を経験して感じるのは、大きいからいいってもんじゃないな、ということ。
現在のファームは、出荷量が多い分、各野菜の検品や箱詰めが凄い速さで行われます。
大手スーパーへの出荷は特にシビアで、ちょっとでも悪かったら廃棄!といった感じ。
廃棄分はスタッフが持って帰れるんやけど、それでもたくさんの野菜が捨てられてもうとる。いっつも悔しい気持ちです
前オーナーのファームは、出荷分の他、オーナー家族で食べたり、地元の人やスタッフにあげたり、最後に残った分は種を取るために使われます。
ローカルコミュニティで一つの循環が出来ているのは、とてもサステナブルで素敵だなと感じます。
私たちも日々たくさんの野菜をいただきました!
また、獣害対策に対しても小規模は強みだと感じます!
古くなった柵を新調しよう!と思った時、あまりに広大だと張り替えに時間と労力がかかります。
オーナーの農場も決して狭くはありませんが、何とか個人での張り替えが可能。
また、もし柵のどこかにトラブルがあった時、修復もしやすいです。
持続可能な農業の実現には、野生動物と平和的に付き合っていくことが不可欠ですね!
おわりに
小規模オーガニックファームでの日々は、短期間でしたが多くの学びがありました!
オーストラリアはEUと比べ、1人当たりのCO2排出量が約3倍なんだそう。(2020年データ)
出荷用の運搬車や大型農業車両の使用も、その後押しをしていることを考えると、小さいコミュニティでの循環と自身の考えにマッチした少数のお店との契約で成り立つ小規模農業は、エコだなぁと思います。
オーナーの家のトイレはコンポストトイレで、肥料として使われてました!いろんなとこに循環があるんやな~
循環型の農業をめざして、出荷の際は無包装やプラフリーも実践されてました!
小さい輪がたくさん出来ることで、大きな循環に繋がる。
人のためにも、自然のためにも、他生物のためにも、小さい輪を大切にする地域社会が増えていくとエエなぁ。
虫たちのおかげで、たくさんの野菜が実を結びました!これも循環のひとつやね
タスマニアの大型オーガニックファームや有機野菜については、また改めて書きたいと思います!
ほなまた!